「いや、あれは…死ぬ前に好きな物を食べたいと思っただけで。あっでも、みかんアイスとかゼリーが食べられないなら、せめてみかんジュースでもいいかな…なんて」
この時、私は焦ってた。
焦り過ぎていた。
先生の視線は、ドラマとかに出てくる刑事が取調べで犯人を問い詰めてる目をしていた。
そりゃもう、決定的な証拠を握られているかの様に。
だから、実にあっさりと口を割ってしまった。
「お前、本当に馬鹿だな。死ぬ前に食いたい物がそれかよ」
呆れ半分、可笑しさ半分と云ったところだろうか?
ハンドルを叩きながら、笑っている。


