「すんません」 とりあえず口先だけの返答。 「お前、それ気持ち篭ってねぇ。それより、飯まだだろ?」 見破られてる… めげないけど。 「まだ食べてない」 そう言ってから数十分後。 見慣れた暖簾(のれん)の前に立っていた。 「あら、いらっしゃい」 いつもの笑顔が迎えてくれる。 「いつもの」 新聞を手に取ると、テーブル席に着いた先生を見て、早くメニューを決めなければと焦った。 だけど、 「はい。いつものね。お父さん、味噌二つと餃子お願い」 その心配は要らなかった。