木々に埋もれる様に建つ倉庫。

少し立て付けの悪い引き戸を開けると、ギィと錆び付いた音がする。

隙間が開いた瞬間、異臭が鼻を掠める。


「…うっ」

思わず息を止める。

夏程の異臭ではないが、何度来ても慣れない。


早く立ち去ろうと、引き戸に掛けた手に力を入れた。


ゴミ袋にゴミを詰め替え、ゴミ山に投げ込むとあるものに目が留まった。


「………」



全体が見えていない為、貞かではないが…

汚れで本来の色とは異なるものの、見覚えがあった。

ゴミ山の中からそっと引き出す。

徐々に露わになってくる。


ほぼ全体が見えた頃、息を飲み込んだ。