「吉沢さん、今日ゴミ捨て当番だよね?一人で大丈夫?」


放課後の掃除の時間。


今日は、順番で回ってくるゴミ捨て当番の日だった。

本来ならば、二人ペアで行う。

しかし、今日に限って亜耶がいない。


「うん。一人で大丈夫」


クラスメイトにそう告げると、廊下を歩きだす。



校舎の裏側に小さな倉庫があり、そこがゴミ捨て場になっていた。

そこまで行き着くには、少し遠い。

この往復だけで掃除の時間を使い切ろうと思い、なるべくゆっくりと歩いていく。



校舎から出る時は、誰もいないのを確認すると、上履きのままゴミ捨て場まで速足で近付いた。