『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ



「コートはどうしたの?」

すっかり忘れていた。

部室だ。

若干、取りに行くのは面倒なんだけど…

朝は寒いしな…

取りに行くか。



「部室に忘れた。取りに行くから、昇降口で待ってて」

「はぁ。わかった。待ってるから早くしてよね」

「は〜い」


教室を飛び出した。


まず先に向かうのは、体育教科室。

先生達の話し声が、微かに漏れている。


良かった。

テスト一週間前からテスト終了日まで、生徒は各教科室の出入りは禁止されている。

扉をノックすると、「はい」と女の先生の声がした。