わざと時間を少し遅らせて来た所為で、担任の姿はない。
教室に入ると、まず葉山を探した。
黒板前でクラスメイトと戯れている姿を見つけると、そのまま近付く。
クラスみんなの視線を浴び、居心地が悪い。
意を決し、小さく息を吸い込み
「ちょっと、着いて来てくれないかな?」
目を見れなかった私は、明後日の方を向いた。
「…あぁ」
誰宛てなのかも言わなかったのに、ちゃんと一人だけの声で返ってくる。
無言で廊下を歩く私の一歩半後ろを、これまた無言で付いて来る。
生徒の少ない、特別棟。
そこの非常階段に出た。
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