街は一足早くクリスマスの装飾で溢れ、空気の冷たさは鋭さを含む。
「…寒っ」
吐き出した息は、真っ白な色をして漂う。
マフラーで口元を覆い、両手は制服のポケットに突っ込んだ。
昨日急いでいた為に、コートを部室に忘れてきてしまったらしい。
仕方がないと諦め、また歩き出す。
一人で歩いていると、どうしてもまた思い出してしまう。
―――堂々巡り。
分かっていても、どうしようもないのだけれど。
どうしても、先生のあの目が、焼き付いて離れてくれない。
どうか…
見られていないように…
願わずにはいられない。


