ハッとして顔を上げると、 そこには 私を見下ろす後藤先生。 近くで見る先生は初めて。 その瞳は夜の海より深い黒。 ちょっと薄めの唇。 鼻筋の通った高い鼻。 身長は遠くから見た時より、さらに高く感じる。 「この席から中庭よく見えるな。だけど、授業はちゃんと受けろよ」 そう言った先生は、大きな手で私の頭をポンポンと撫でた。 先生に聞こえてしまうんじゃないかと思う程、ドキドキした。