『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ



「着替え終わった?」

「うん。大丈夫」

カーテンを開け、急いで外に出ると

「今日は見学だから、気楽にね。みんな優しいから、安心して」

葉山スマイルに緊張が少し解(ほぐ)れた。


初めて見る、ジャージ姿の葉山。

不覚にもかっこよく見えてしまった。


学校指定のジャージではなく、陸部みんなで合わせて作ったジャージだからだろうか?

見慣れていない所為だと、自分自身に言い聞かせた。




グラウンドに着くと、各種目に分かれ練習をしている部員達の姿が見える。

「こんちはぁ」

葉山の挨拶に、「よぉ」だの「おぉ」だの「こんちは」などと返ってくる。


「こ…こんちは」

私も小さいながら挨拶するも、声が小さいらしく誰も気付かない。