「あっ」 思わず小さく声を上げた。 黒く鋭い眼は私を見据える。 睨まれている気もするが、目付きの悪さからそう見えるのだろうか? ある意味、宇宙人よりもお化けよりも恐ろしいのかもしれない。 そう思った事は、今は胸に秘めておこうと思う。 ふと現実世界に生還すれば、呆れた顔の男。 中庭に立っているのは、厳つい教師。 睨んだと思えば次の瞬間、呆れ顔。 「はぁ」 聞こえていれば、きっとそう言ったに違いない。