『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ



「悪いけど他当たって。私には無理だから!」

と、言ったものの…

陸上部って言った?




『後藤 篤志です。教科は体育。部活は陸上部を受け持ちます。よろしく』

ふと、朝礼の事が蘇る。





「いや、簡単な事しかないから!!頼む!吉沢しかいないんだよ」

葉山の言葉はあまり入って来ないのに、自然とニヤつく私の顔。


わかってるけど、一応念の為、

「葉山、陸上部の顧問って誰だっけ?」

「顧問は後藤先生だよ。ほら、ニ学期から来た」

やっぱり!


「しょうがないな。やったげる!ってか、絶対入る!」

俄然(がぜん)やる気が出てきた!!

「マジ?よろしくな!」

スキップしながら教室を出て行く葉山を見送った。