ぽかーんと口を開き、二人して私を見つめてくる。
時が止まった。
正にそんな感じ。
「あの子本当に馬鹿」
額に手を当て、うなだれる亜耶。
「俺、名札作ろうかな」
「そうしなさい」
痴話喧嘩の収まったと思ったら、二人で何か話し合ってる。
「何?何?」
「ん?‘葉山’が話しあるって」
異様に『葉山』を強調してくる亜耶。
…に、気付いた!
あちゃー。本人目の前にやってしまった。
「さっき、私…何て言った?」
「やっと気づいたか。『木山』なんてうちのクラスにはいないわよ」
やっぱり…
「は 葉山…ごめん』


