「わかってんよ。

でも、こいつらに何かあったらよ、俺は何としても敵(かたき)取んねぇといけねぇんだよ。

ごっちゃんも男なら、分かってくれんだろ?」


「まあな。だから、俺は止めなかったんだろうが。感謝しろよ」

そう言いながら、ちゃっかり先輩の頭にゲンコツを食らわせた先生。


「痛ぇよ!何すんだよ!」

「躾だ。口の聞き方に気をつけろと言っただろうが」

「はい。はい。亜耶、戻んぞ。じゃぁ、理恵ちゃんまた今度ね」

置いて行かれた。



私を置いて逃げた!



先生に腕を捕まれたままだから、どうせ逃げられないのだけれど。