白い引き戸を前に緊張が走る。 「理恵、いい?行くよ」 「うん」 軽く息を吐き出す。 亜耶は引き戸に手をかけた。 ――――ガラッッッ 勢いよく開けられた戸。 今までざわついていた教室が一気に静まり返り、そこにいた全員の視線が一斉に向けられる。 「浅井 沙也夏って奴いる?」 亜耶のいつもより低い声が響く。 私達に向いていた視線は、教室の窓側に向けられた。 そこにはあの朱い髪した女がいた。