もともと４人で兄弟って感じはあったけど、それでも俺と里穂が結婚してからは、余計に兄弟の絆みたいなものが強くなった気がしてる。


「そうだ。４人で夕ご飯食べに行くかって、廉と話してたんだけど」


「私も隼斗君とその話してた。ねえ、隼斗君」


リビングに向かって里穂が声を掛けると、隼斗が里穂の後ろに姿を現した。


「腹減った、兄ちゃん」


「俺も～」


里穂の後ろで隼斗が、俺の後ろで廉が、子供のように「腹減った」を繰り返す。


その様子を見て、俺と里穂は苦笑いを浮かべてしまった。


「じゃあ、出かけるぞ。廉、カバン置いて、着替えてこい」


「分かった」


廉を見送って俺も家に入り、自分も着替えをして、里穂に寒くない格好をさせて家を出た。


「何食べたいんだ？」


「肉！」


声をそろえて答えた隼斗と廉を、ちょっとは大人になったと思ったけど、やっぱりまだまだ子供だななんて思いながら里穂の方を見ると、里穂も同じことを思っていたのか、俺と同じように苦笑いを浮かべていた。


「じゃあ、行くぞ」と声を掛けて、大切な奥さんと弟たちを乗せて、俺は車を発進させた。




……END