君の隣~番外編~

「クソッ」


悔しくて悔しくて、持っていたタオルをピッチに投げ捨てる。


「おータオルは大切に使えよ」


そんな俺に話しかけてくれたのは、やっぱり中澤さん。


タオルを拾って俺に渡してくれる。


「悔しいか?」


「はい……」


「俺だってそんな感じだったよ。まあ、最初から上手くいったら俺の立場ないし」


ハハッと笑ったあと、中澤さんは俺にボールを渡してきた。


「動き足りないだろ。付き合ってやるよ」


「はい!」


練習後のピッチで、中澤さんと二人ボールを蹴る。


クルッとターンをして中澤さんを抜き去り、ゴールに向かってシュートを打った。


そのボールは、無人のゴールに綺麗に吸い込まれた。


それとほぼ同時に、ピッチのどこかから小さな拍手が起こった。