君の隣~番外編~

練習試合とはいえ、さっき加わったばかりの俺は試合に出れるわけではなく、監督がいるベンチの近くで試合の様子を覗う。


日本の練習とは、明らかに違う雰囲気。


まるでトップリーグの試合を見ているようだ。


どの選手も、ガツガツと相手を削っていく。


「シュウト」


「はい」


突然名前を呼ばれて、監督の元に急ぐ。


「出てみろ」


「はい」


試合途中、サブ組に交代で入れてもらう。


ピッチに入ると、レギュラーで出ている中澤さんが俺の肩をポンと叩いてくれた。


「ヘイ、パス!」


英語やドイツ語を交えて、なんとかこっちにパスが回ってくるように声を張り上げる。


それでも今日入ったばかりの俺にパスが回ってくることはなく、時間だけがどんどん過ぎていく。


結局この日は、パスが2・3本回ってきただけで、シュートを打つ余裕もなく終わってしまった。