君の隣~番外編~

そう答えると、中澤さんがチームスタッフに言葉をかける。


その言葉を聞いたチームスタッフは、俺たちの傍を離れていった。


「お前、監督ドイツ人だぞ。言葉分かるのかよ?」


「いや、全然です」


「だよな。俺が通訳してやるよ」


「ありがとうございます」


ハハハっと笑いながら歩いていく中澤さんについていく。


中澤さんは、日本代表でキャプテンを務めることもある、代表には欠かせない選手。


個性的な選手が多いけど、そんな皆をひとつにまとめる、リーダーシップに溢れた人だ。


しかもこうやって、誰にでも積極的に話しかけてくれる。


俺の尊敬する先輩の一人だ。


中澤さんに案内され、監督の部屋に入る。


そこには、名将と呼ばれるふっくらとした体型の、俺にとってみれば祖父と変わらない年齢の人がたっていた。


拙いドイツ語で挨拶をすると、笑顔で握手を求めてくる。


それに応えると、ドイツ語で言われたことを中澤さんが訳してくれた。