君の隣~番外編~

初めて、お菓子作りをした。


いや、台所に立って何かをすることが初めてだったかもしれない。


「ゼリーはゼラチンで作るのが普通なんだけどね、今日は寒天。寒天だと、ちょっと固くなっちゃうかもしれないわね」


母さんの言う通りに手を動かす。


「氷水につけると、早く冷えるから」


出来たゼリー液を透明なグラスに入れて、氷水の中で冷やす。


「持ってってあげなさい」


「わかった」


案外簡単にゼリーは出来て、冷たくなったそれを里穂の元に持って行った。


「里穂」


引戸を開けると、さっき俺に背を向けたときの格好のままの里穂が眠っていた。


顔を覗くと、頬に薄らと涙のあとがついていた。


また熱が上がったんじゃないかって思うくらい、頬が赤く染まってる。


ゼリーを畳の上に置いて、里穂のおでこに手を置いてみた。


「んっ・・・」