安楽死


翌日の土曜日――

私はどうしても愛美が自殺をしようとしたとは思えず、朝一番で市立図書館に行く事にした。


「今日は家で休んでいた方が良いんじゃないか?まあ、聞きゃしないだろうけどな」

兄の外出に合わせ、市立図書館まで連れて行ってもらう事にした。

兄はレトロな車が好きで、30年前のミニに 乗っている。オモチャみたいな車で、怪我人の私的には最悪の乗り心地だった。


「ボロい車だなあ。
エアコンも着いてないなんて最悪だよ」

「文句言うなら、歩いて行け!!」

「ねえ兄貴・・・三春駅の近くに、幽霊が出るって話聞いた事ある?」

「んー知らないな。そもそもあの日まで、三春駅近辺の踏切りで死亡事故なんて無かったと思うぞ」

「だよね・・・」


一瞬だけ流れたあの噂。
「あの踏切りには、悪霊が取り憑いている」

あの時の愛美の様子は、悪霊に取り憑かれたと言われれば納得出来る。私の制止も聞かず、自分の意思とは無関係に足が動いている様に見えた。