1階の一番奥・・・
通常、一般の人がまず入る事のない場所にある救急専用の手術室――
手術中の表示が点灯した部屋の前に、愛美の両親とベンチに並んで座る。もう既に、3時間が過ぎようとしている・・・
不意に手術室の扉が開き、点滴の管が巻き付けられた愛美がストレッチャーに乗せられて出てきた。愛美にすがり付くおばさんを、若い看護士が制止する。
するとその時、手術室から青い服を着た医者が出てきた。
「まだ絶対安静ですが、ひとまず生命の危機は脱しましたよ」
その一言で、気丈に振る舞っていたおじさんが目頭を押さえて俯く。その姿を見て、やっと私の目にも涙が溢れてきた。
愛美は頭蓋骨を始め全身に骨折が6ヵ所、内臓損傷で全治4ヶ月と診断された。
意識は無いままだ・・・



