安楽死


警察の事情聴取が終わると、私は直ぐに三春総合病院に向かった。


三春総合病院は三春駅の南側にあり、徒歩で10分もあれば着く距離だ。

親指と背中の痛みに耐えながら、全力で走っる。一刻も早く愛美のそばに行きたい。

全速力で走って行くと、並木の向こう側に4階建てのビルが見えてきた。その鉄筋コンクリートの建物が、目指す三春総合病院だ。


門を駆け抜け、タクシーが並ぶ玄関に転がり込む様にして飛び込む。

病院の中に入ると既に受付は真っ暗で、案内板だけが暗闇に青白く浮かび上がっていた。気が動転している私はどこに行けば良いのか全く分からず、狼狽える事しか出来ない。

そんな私の目の前を、見慣れた中年の女性が走って通り過ぎようとした。

「おばさん!!」

愛美の母親の顔からは血の気がすっかり引き、真っ青になっていた。娘が電車に飛び込んだのだから、心痛は私以上に違いない。


おばさんの背中を、私は急いで追う。