安楽死


親指を応急処置された私の肩を、警察官がトントンと軽く叩いた。私はゆっくり振り返る。

「君が、事故の現場に一緒にいたんだね?」


それから30分余り、その場で事故が起きた時の状況を聞かれた。私は未だ定まらない意識の中、愛美が線路に入って行った状況を説明する。
 
私の話を聞き終えた警察官は、最後に総括してあり得ない事を言い放った。

「なるほど、つまり君は・・・電車に飛び込んで自殺しようとした友達を、必死で止めようとした。という事だね?」

え?

「それなのに、友達は君の制止を振り切って電車に飛び込んだ・・・と。自殺だね」


な・・・何を、自殺?
状況だけを考えれば、確かにそうかも知れない。だけど違う!!

あれは、自殺なんかじゃない――


「あ・・・愛美は、彼女はどこの病院に運ばれたんですか?」

警察官は調書を整理しながら業務的に答えた。

「三春総合病院だよ。君も、精密検査を受けた方が良いんじゃないの?」


三春中央高校3年の城川愛美。
16時01分、三春駅西側の踏切りにて、電車に飛び込み自殺・・・するも未遂に終わる――