「すいません。」


「わかりゃいいのよ、ふん。」



美喜さん、椅子にふん反り返るのはどうかと…。



「おい、美喜。」



岩谷さんも顔をしかめる。



「まあ、はしたないッ。
おしとやかになさい。」



あたし達は固まった。



一斉に声の主をみる。



テーブルの横には、口に手を当ててこっちをみている央がいた。



「なんであんたがいんのよ。」



央は答えずに椅子を引っ張ってきて、座った。



隣で海斗がパチンと携帯を閉じたのが見えた。



あたしは横に寄って、場所をあける。



「一件落着を祝って。」



央はそう言って、どこで買ってきたのか缶コーヒーを掲げた。



「持ち込みいいのかな。」



そう言いながら海斗も倣う。



あたし達も雰囲気につられて手を上げた。



「2カップルと俺の友情を祝って。
まかり間違っても失踪しないように。
乾杯!」



乾杯!とあたし達はあとに続いた。 



海斗も苦笑いで続く。



本当に今度こそ、平和にわいわいやれますよーに!



あたしは海斗とお揃いのコーヒーを口に含んだ。












fin.