時間が経って、もう央のアパートに通わなくなった頃、あたし宛てに手紙がきた。



お父さんから受け取り、自分の部屋に上がる。



誰だろう。



あたしはハサミで封をあけ、中の手紙を出した。



“○○町
□番地 コーポ○□ 106号室”


ただそれだけ書かれていた。



……海斗の字で。 



「何、これ…。」



新しく住むところ?



あたしは急いで央に電話をかけた。



「もしもし!?」


「どうした?」


「海斗から手紙きて、住所書いてあった。」



あたしは内容を読み上げた。



「来いってことか?」


「わからない。
けど、あたし、行ってみる。
央は?」


「行く!」



待ち合わせ場所を決めて、あたしは電話を切った。



忙しく階段をおりて、あたしはリビングに怒鳴るように声をかけた。



「ちょっと行ってくる!」


「どこへ?」



驚いているお父さんにまた怒鳴った。



「友達の家!
遅くなるから!」