「由宇希。」


「……はい。」



海斗の目が鋭い。



「俺…。」



言葉が続かない。



あたしと央は次の言葉を待った。



「やっぱいい。」



ガクッと央が首を落とす。



「何だよ、言わないのかよ。」


「うん。」


「何だよ。」



もう一度繰り返し、央は「風呂。」と部屋を出て行った。



部屋の中がシーンとなる。



「じゃあ、あたし帰るね。」


「うん。
また明日。」


「うん。」



あたしはカバンの背負って、玄関に向かった。



「じゃあ、気を付けて。」


「うん。」



海斗が近づいてきた。



チュッと頬に唇がよる。



あたしは返そうか迷って、結局央のアパートを出た。