「どうして体調悪いってわかったとき、家に帰らなかったの?」



こんなところで座りこんで。



余計悪化するのに。



「由宇希、今までの愚痴、全部聞くから。
こっから離れよ。」


「いいよ、聞いてもらわなくて。
今まで1年以上音信不通だったのに、何よ今さら。」



とまらない。



海斗が隠れて見えないのをいいことに、あたしは言いたい放題だ。



「由宇…。」


「央のアパート行けば?」



言って、あたしは海斗の返事を待たず、背を向けた。



ありがたいことに、央は数コールで電話に出てくれた。



「もしもし?」


「おぉ、どした?」


「海斗がきた。」


「はっ!?」


「今、校門の前にいるの。」



お前、と央が息をのむ気配がした。



「何、喜んでないの?」


「………。」



嬉しい。



けど、苛立ちもある。