今日が終われば、明日から休みだ。
そう自分を励まし、あたしは朝ベッドから起きがった。
金曜日の授業はあたしが比較的好きな授業で固められている。
それを励みに、あたしは家を出た。
満員電車に揺られ、ぼんやりと車窓の外を眺める。
人の波に乗って電車に乗り、また人の波に流されて電車を降りる。
そして、駅から徒歩10分。
我が商業高校は丘の上にそびえたっている。
あぁ、また一日が始まった。
「おはよ。
しけた面してんね。」
「おはよう。
なんで愛がそんなに元気なのかあたしには理解できないよ。」
「まあ、元気出せ!」
バーンと背中を叩かれ、あたしは前につんのめった。
「あぁ、帰りたくなってきた…。」
「はいはい、そんなこと言わないの。」
「う~。」
痛む背中をさすり、あたしはこれでもかと言うほど急傾斜の坂を上った。
高校で出来た友達は愛、そして咲子だ。
咲子とは一年生のとき知り合った。
そして、同じクラスだと後から気付いた。
まったく、どれだけ抜けてるんだあたしは。
それを言ったら央に笑われた。
その後、央に躍りかかって降参させたのはまだ記憶に新しい。


