「もう……別れ…よ」 泣きながら、一生懸命言葉を繋ぐ彼女をこんな状況でも可愛いと思う俺は、相当の馬鹿だ。 「…柊ちゃん」 まだこの時の俺は、こいつが強い決心をしてやってきた事を知らない。 冗談で、嘘だよ!って笑うのを待っていた。 だけど、 「ごめんね…」 俺の横を走って通り過ぎた彼女は、二度と俺の元へ帰っては来なかった。