「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

「よりまして、はっきりとした大きさや、どのような組成の物であるかは結論が出せません」

「調査により隕石の実物が発見されるのを期待して待っている状況であります」
その後、続けて

「そういえば、あの大火球の映っているビデオを、もう一度再生してお見せしましょうか」

科学者は後ろを振り向き
「あの大火球の映っているビデオの用意ができるかな」
と別の科学者に訊いた。

その時、李も同時に振り向き、後方で見学しているスティーブたちに気がつき、部外者が入室して、こちらを見ているのに驚き、急いでスティーブたちの所に歩み寄り、何故ここに居るのかを問うた。

スティーブたちが見学の途中で立ち寄ったのだと分かると、新発見の彗星が出現したので、科学者たちと話していたのだと説明して、忙しいので申し訳ないが見学は、そのくらいにして退出してくれるように言った。

スティーブたちは忙しいところに入室し、お邪魔をしてしまいましたと退出していった。
李は彼らが、どの程度まで自分たちの話の内容を聞いていたのか不安であったが、ことさら口止めをするということもしなかった。

口止めをすると、かえって自分らが、何か重要機密事項でも隠しているかのように思われるのが、あまり良くないであろうと判断したのである。