「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

科学者は
「確認されているのは一個のみであります。画像のコンピューター処理をして確認しましたが、映っているのは、一個のみであり、複数個存在する可能性は否定されております」と答える

李は映像を注視しながら、なおも天文学者や科学者に問い続けてゆく。

その時、通信本部のドアが開き、スティーブとケイトが本部の中を案内してくれている職員と共に、見学の為に入室して来た。

スティーブたちを案内している本部の職員は、彗星が発見された事も知らなければ、李が発見された彗星の確認をしに来ている事など、もちろん知らなかった。

スティーブたちは、李や科学者が話をしている後方から、じっと見学をしていたが、李たちは前方に映るスクリーンを見ながら話をしているので、スティーブたちが見学に入室してきているのに気がつかなかった。

時折、李が映像を指差しながら話をしている。

その光景をスティーブたちは、しばらく、たたずんで眺めていたのだが、李や科学者から聞こえてくる話し声で、スクリーンに映し出されているのが新彗星であり、李は、それが無機物生命体ではないかと疑って、質問を科学者たちにしているのだと分かってきた。

スティーブたちを連れてきた本部の職員は、何も知らされていないので、李たちが話している彗星が、重要な話をしているとは、特に思わずに留まっていた。

李は話をしているうちに、二年前に無機物生命体が全滅してから、およそ半年後の、その年の暮れに、北海に落下した隕石の事を思い出し