「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

「二年前に無機物生命体が来襲して来た時にも、我々は映像などから判断して、飛来しているのは小惑星群であると間違った結論を出してしまっている経緯がありますので、とりあえずは、追跡調査を継続してゆきたいと考えております」

「もっとも二年前の時には、無機物生命体などが居るということさえ、ほとんどの人には、想像もつきませんでしたので、いたしかたなかった部分もあるのでは、ありますが・・・」
と李に伝えた。

李はスクリーンに映し出されている彗星の映像を見ながら

「彗星の軌道とか速度は判明しているのか」
と科学者に問うと

「おおむね分かっておりますが、軌道はもう少し観測を続けて、明日の午後には確定したいと考えております。速度に関しましても、これまでの観測結果から今後の予測がある程度は割り出せますが、念のために数日間は観測を続けてみようと思っております」

「私が思いますには、彗星の飛来してくるコースが前回無機物生命体が進んで来たコースとは方向が、若干、違う方向からとなっておりますので、その事からも無機物生命体である可能性は低いと判断しております」
と返答した。

李は科学者に向かって問い続ける。
「映っている映像では、彗星が小さくて非常に見辛いのだが、飛来しているのは一個だけなのか。映像から見える限りにおいては一個しか見えないようだが」