「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

その後、修復をやり直す為に、修復日程を詰めて休日返上で仕事に励んでいて、とてもジョアンの実家へ行く為に休みを取るというのは不可能であった。

その修復も現在は進み、あと半年もすれば復元作業を終了できそうであり、復元作業が終われば、まとまった休暇も取れるであろう。

ただし李は、火星の復興や地球の防衛システムの構築など多忙であり、事務総長職を退くまでは、まとまった時間は取れそうには無いが・・・

事務総長職を終えれば妻のヒュッジュや次女のディアンを連れて、ジョアンの住んでいる日本へ行って、ゆっくりと旅を楽しめるだろう。

それまでは、電話で声を聞くことができるぐらいであろうと考えながら外を眺めていると、補佐官が歩いて来て

「事務総長、十時十分前です。すでに会議場に入っておられるのかと思っておりました。私は今、向かっていたのですが、ここでおられるとは・・・」

と話しながら李の眺めている窓の外を見て

「何か、気になるものでも見えますでしょうか・・・そろそろ行かないと遅くなります」
と李と同じ様に外を見ながら言った。

李は補佐官に催促されて、会議室に向かって歩き出した。

李が会議室に入り安全保障会議が始まった。

まず二日前に開催された地球防衛計画策定会議の概要と、決定された三十項目の報告を補佐官が行なった後、李が採決を取ろうと進み出てきた。