「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

そして小惑星群の破壊に成功して地球の危機が去り落ち着けば、ジョアンと夫の智行の二人で、一度、ニュージャージーにある李の自宅にまで遊びにおいでよというような話をした記憶がある。

しかし、その後、地球に到達したのは小惑星群では無く、無機物生命体であり、激しい戦闘が行なわれ、地球は多大な損害を被り、復興を急がねばならず、火星の復興もあり、李は多忙を極め、もしジョアンたちが訪ねて来ても会う暇など無い状態になっていた。

またジョアンも夫の智行の仕事が忙しくなって、李に会いに行ける状況には無くなっていた。

智行は教王護国寺で古い焼損仏の修復を行なう仕事をしていたのであるが、無機物生命体が西太平洋で全滅した翌日、修復途中の焼損仏を見てみると、どこかしら違和感があった。

焼損仏の焼けて炭状になっている部分を復元している途中であり、復元は、かなり進んでいたのに、見た時には再び炭状の部分が少々広がっていたのである。

智行は不思議であり、原因が判明しなかったが、無機物生命体との戦闘の後でもあり、無機物生命体のエネルギーを浴びるとか何か、戦闘の何らかの影響があったのかも知れないと考えたのであった。

実際には、無機物生命体との戦いに参加した金剛戦士たちは、無機物生命体の発する光線を浴びた時に、自らの輝くエネルギーと反発して、遥か彼方に弾き飛ばされただけであったのだが、焼損仏たちだけは無機物生命体の進化して強力になった光線を浴びた為に少々焦がされたのである。