「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

この時季、鯨を見れる確率は八十パーセント以上あるらしく、みんなは鯨の話で盛り上がっていた・・・




午前八時、ニューヨークの連合本部ビル

スティーブが、これから李に会って、月で行なわれたテスト飛行の結果を報告する為に連合本部に到着し、控え室に入った。

宇宙戦闘機の開発者や技術者、もう一人のテスト飛行のパイロットである女性パイロットのケイトが、次々と到着して控え室に入ってくる。

スティーブは直の友人であり、宇宙飛行士になりたかったのだが、試験に失敗し、平和維持軍のアメリカ航空隊のパイロットをしていた。地球上空で無機物生命体との戦闘があった時には、北東太平洋においての戦いに戦闘機隊の飛行中隊長として参加して、無機物生命体にとどめを刺したのである。

しかし、わが身も重傷を負い、救出された時は瀕死の状態であった。

どうにか一命を取り留めると、昔、一度はトライして失敗した、かねてからの願いであった宇宙飛行士になる夢に向かって再挑戦した。

宇宙飛行士の試験には見事合格して、その後、宇宙飛行士としてのトレーニングを積んでいたのであるが、しばらくすると宇宙戦闘機が開発され、そのテスト飛行のパイロットが選抜される時に、彼の無機物生命体を葬った功績や操縦技量を認められて宇宙戦闘機のテスト飛行に乗務するのに選ばれたのである。