郁江の言葉を聞いた直も

「そうだねぇ・・・ほんとうに綺麗だねぇ」
と言い

「太陽系の、いや宇宙の宝物だよ。こんなに青くて綺麗な星は、この広い宇宙でも、そんなに多くは存在しないのじゃないかなぁ・・・とはいっても宇宙はとてつもなく広大だから、どこかには同じ様な星が存在するのだろうけど・・・」

郁江が
「そうねぇ・・・私たちの地球がある銀河系にも何個かは、存在するかも知れないわねぇ。でも私たちが見られるのは地球だけ。とっても貴重な星だわ」

二人は、静かに会話を交わしながら、地球を見続けていると、部屋のドアをノックする音がした。

ドアを開けると、月面調査に訪れている調査班のスケジュール調整をしている担当者が立っていて、今後のスケジュール表を直たちに渡して帰って行った。

スケジュール表を見ると、月面移動車両で、何ヶ所かの月面基地を移動しながら、一週間あまりの間、調査することになっていて、最後に現在滞在している月面基地に戻ってきた後、地球へ帰還する予定になっている。

「けっこう、びっしりと予定が詰まっているなぁ・・・明日からは、がんばらないといけないよ」

と言いながらスケジュール表を郁江に手渡した。

「ほんとうねぇ」
と言って、スケジュール表を見つつ

「予定が決まったから、私、実家に連絡をしておくわ。直も、お四国巡りをしている、お母さんたちに連絡しておいたほうがいいのじゃない。地球に帰れる日を連絡しておいたら安心するよ」
と言った。