「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

残りのうちの二機はヨーロッパで製造されて、地球と月の間の宇宙空間で試験飛行を行い。残りの二機はアメリカで製造され、月面基地を利用して試験飛行を行なってきた。

日本とヨーロッパの試験飛行は、一ヶ月ほど前に終了して結果報告も済んでいる。

またアメリカの月面での試験飛行も終了して、二週間ほど前に地球に帰還していて、その二機の宇宙戦闘機のパイロットたちは、宇宙戦闘機の開発技術者と共に、次回開かれる安全保障会議の前に、李に結果報告を行なう予定である。

宇宙戦闘機は二人乗りであり、次回から始まる実戦的な試験飛行ではパイロットともう一人の副操縦士兼射撃担当航法士が乗務することになっていて、勇太のパートナーは田中真に決まっている。

田中真は大学を卒業後、先輩の吉里に誘われて海軍に入隊して、二年前に無機物生命体との激戦が繰りひろげられた時には、救難飛行艇のパイロットをしていた。

戦いの後、太平洋に落とされた戦闘機のパイロットを多数救出したのだが、失ったパイロットも数多くいて、戦闘機のパイロットが不足してしまった。

救出活動が終了後は、真は戦闘機に乗務することを進められ、空軍の戦闘機パイロットに転身することにし、昨年の中ごろから新しく製造された戦闘機の操縦訓練をしていた。

その頃、宇宙戦闘機の試作機の完成が、まじかに迫っていて、試作機のパイロットには勇太が決まっていたが、もう一人の乗員を誰にするかの選考がなされていた。

宇宙での経験が豊富な宇宙連絡船や貨物船、宇宙調査船のパイロットから選抜しようとしたのであるが、絶対数が少ない為に勇太以外は新しく養成する宇宙戦闘機パイロットから選ぶことになった。