「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

傍で居た由紀が、尋常ではない理絵の姿を見て、理絵の落とした携帯電話を拾い上げると電話に出て

「直、いったい何があったの」
と問いかけた。

直は
「勇太が死んだ・・・僕たちを救うために勇太は死んだ」
と咽び泣きながら言った。

聞いた由紀は絶句した・・・

前を見つめたまま立ち尽くす由紀の目からも、涙がこぼれ、頬を伝って、床の上に落ちている・・・


二人は、ともに嗚咽し、声を上げて激しく泣いた。

数時間泣き続け、泣き疲れた頃、理絵は立ち上がると宿を出ていき、宿の外に見える海岸に向かって走り始めた。

由紀は、理絵に何かあったら、いけないと、必死で理絵の後を追いかけて走る。

海岸まで来た理絵が海を見ている・・・

昨日までの梅雨空が嘘のように、雲は飛び、空が晴れている。

一片の雲も無く、晴れ渡った空に日が沈んでゆく・・・

沈む夕日を、理絵は見つめている・・・

彼方の水平線に沈みつつある夕日を、じっと見つめている理絵・・・

その後ろから、由紀は、そっと近づいてゆくと、理絵と同じ様に夕日を見つめながら呟いた。