「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

基本的に緊急車両以外は通行禁止であるが、外出禁止が発令された日は京都で近畿地区の市長会が開かれており、市長たちは、ただちに各都市に引き返す必要に迫られたのだった。

そこでタクシーを緊急車両代わりに使用することになり、個人タクシー協会にも依頼がきて、協会の役員でもあった宮西が、三重県の市長を送り届ける為に向かった。

そして三重県まで複数の市長を送り届けて、京都へ帰ったのであるが、車にはフロントガラスの裏から、市長送迎用緊急車両と書いていた紙が張られているにもかかわらず、何度となく検問で停止させられて、いちいち京都の府庁まで問い合わせをされてしまい、帰ってくるのに、たいそう時間が掛かり、真夜中になってしまったのだった。

車の外は激しい雨と風が吹いていて、時折、雷も光って、京都市街の町並みも、よく見えないほどであった。

宮西は疲れきって運転をしている・・・

すると蓮華王院の近くを通り過ぎようとした時、激しい雨の中で突然に蓮華王院の辺りが輝いたかと思うと、光の束が天に向かって伸び、天に繋がったかと思うと、そのまま天に吸い込まれていった。

しかし、一瞬の出来事であり、宮西は大きな雷でも落ちたのだと思い

「くわばら、くわばら」
と言いながら、自宅へ急いだ。

光り輝いたのは、蓮華王院、三十三間堂であった・・・

同時刻・・・
智行は、最後の仕上げが近づいていた仏像の修復作業の為に、寺に泊まりこみで作業をしていて、外出禁止令が出たこともあり、そのまま寺に留まっていた。