「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

宇宙戦闘機を捉えた時点での映像では分からなかったが、よく見てみると宇宙戦闘機の機体に日の丸が描かれているのが見て取れた。

直は、親友の勇太が宇宙戦闘機のパイロットとして試験飛行をしているのを知っていて、日の丸を見て、それが日本機で勇太の操縦する宇宙戦闘機であるのが分かった。

一瞬、心強く思ったが、他の四機の宇宙戦闘機が確認できず、一機、単独でしか見えないのは不安でもあった。

調査船の船内では、通信本部から無機物生命体の接近を知らされた当初は、無機物生命体から逃れる為の回避行動をとろうという意見もあったが、針路を変えても逃れられる位置ではないことが分かり、回避するのを諦めて、宇宙戦闘機による攻撃に頼る他、選ぶ道が無かった。

しかし宇宙戦闘機は未だに一機しか確認できず、攻撃が間に合うのか、不安感が広がっている。

今回の月面調査隊の調査船四隻のうち、直の乗船する日本の調査船以外は、明日以後に月面基地を出発する予定であり、最も早く調査を終えた日本の調査船だけが、本日、地球へ向かっている。

月面調査隊の隊長はアメリカの調査船に乗る、カナダ人博士であり、日本の調査船には隊長は乗り込んでいない。直が班長兼船長として伝達事項がある場合は、各乗員に伝えていた。

不安感が広がった船内では、調査船に装備されている電子ビーム砲で、無機物生命体に対して、先制攻撃を開始しようと意見を述べる者もいたが、直は目前に迫ってくる無機物生命体の巨大さを見て、たとえ先制攻撃を仕掛けても、相手を破滅させるのも、逃れるのも、成功する可能性は皆無に近いと判断して、先制攻撃を止めた。

地球の作戦本部も、そのように判断しているからこそ、宇宙戦闘機の攻撃に賭けているのだろう。