「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

このままでは調査船は無機物生命体と遭遇する軌道を進んできているのだ。

通信本部も作戦本部も、調査船が地球に向かってきているなどと思ってもいなかったのであろう。全然気がつかなかったのである。

何らかの手を打たなければ、調査船は無機物生命体の餌食となってしまう。

通信本部は、急ぎ作戦本部に、調査船が無機物生命体と遭遇するのを伝えたが、予測しなかった大変な事態に作戦本部も泡を食うが如く慌てた。

このままでは一時間以内に調査船は無機物生命体と遭遇するであろう。

どうにかして調査船を無機物生命体から遠くへ引き離し、逃れさせなければならない。

作戦本部は調査船に無機物生命体との戦闘が始まった事を伝え、地球への進路を変更させようとした。

しかし、時すでに遅く、いまさら進路を変更しても逃れられる位置ではないのが判明して、手の打ちようの無い状況になっていた。

こうなれば、宇宙戦闘機に頼って、無機物生命体を撃破してもらう以外に方策が無いのであるが、宇宙戦闘機はヨーロッパの二機とアメリカの二機が、乗員の集合が遅れたり、機体の整備や燃料の注入が遅れたりして、勇太の機体と合わせた五機の集合時間に遅れが生じていた。

五機の宇宙戦闘機が集合を完了するのは、約三十五分後になるので、無機物生命体への攻撃を仕掛けるとしても、その後になる。

調査船と無機物生命体との遭遇時間を詳しく計算してみると、今から四十分後であると判明し、宇宙戦闘機による無機物生命体への攻撃が間に合うか、微妙な情勢であった。