「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

勇太も慌てていて思わず口走ってしまったのだろうが、宇宙戦闘機とは、いったい、どんなものであろうか。

戦闘機と名がついているということは、航空機の戦闘機と同様に、攻撃的で危険な乗り物であるのだろう。その攻撃的な宇宙戦闘機に緊急乗務しなければならなくなったとは、いったい、何の任務が指示されたのであろうか。

さまざまな、疑問や不安が、着替えをしている理絵の頭をよぎってゆく。

勇太が準備と着替えを終えた時には、二人とも着替えを終えていた。

そして二人に向かって勇太は

「それでは行きます。すいませんがグラウンドまで、お願いします」
と言って、部屋から出てゆく。

理絵が車のキーを掴んで、勇太を追いかけるように部屋から出てゆき、由紀が後に続く。

宿の玄関で、すぐに戻ってくるのを宿の人に伝え、三人が車に乗り込みグラウンドに向かって出て行った。

車の中で勇太は、突然のことで、お婆ちゃんたちに、出て行くのを伝える暇が無かったので、よろしく伝えといてくれるようにと言ったものの、理絵が、なぜ突然に行くのか聞いても、自分が何の任務で宇宙戦闘機の乗務に向かうのかは、全く話さなかった。

勇太にすれば、二人を不安にさせたくなかったので話さなかったのであろう。

そして宇宙戦闘機に乗務していることは、他の人には話さないように言った。

グラウンドに到着して数分後には、遠くからバラバラとヘリコプターの飛んで来る音が聞こえ出して、海の広がる伊予灘の方角からヘリが飛んで来るのが目視で確認できた。