「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

勇太は、目覚ましが鳴る音で目が覚めて、その直後に鳴りだした自分の携帯電話の呼び出し音には気がつかなかった。

目覚ましを止めると、まだ、どこかで音がしているので、何だろうと思ったが、着信音で、すぐに自分の携帯電話に着信が入ってきているのに気づき、電話を取り、表示されてある着信相手を見ると、空軍の指令室からであった。

勇太は、指令室からの突然の連絡に驚き、すぐに電話に出ると、小笠原海域の太平洋上に、無機物生命体の可能性のある物体が発見されて、宇宙戦闘機を宇宙空間で待機させ、備えるので、ただちに宇宙戦闘機を発進させなければならず、勇太を招集したのだと知らされた。

そして宇宙戦闘機は現在、発進準備中であり、早急に宇宙戦闘機発射基地に向かってくれと言われ、現在、どこに居るのか訊ねられたので、愛媛県の双海町に滞在していると伝えた。

指令室は非常に慌しく作業している様子で、ざわめきが電話の向こうから聞こえてくる。

数分後、勇太に指示があり、岩国基地からヘリコプターを双海町のグラウンドに向けて飛ばすので、その迎えのヘリコプターに乗り、宇宙戦闘機の発射基地へ向かうようにと言われて、勇太は了解した。

ヘリコプターは、すぐに発進するそうで、三十分後までには到着するので、早急に支度をしてグラウンドに行かないといけない。

勇太の隣で寝ていた理絵は、すでに目を覚まし、掛け布団をから出て、上体を起して勇太に掛かってきている電話のやりとりを聞いている。