「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

作戦本部は、ただちに石川県の小松空軍基地からヘリコプターで迎えに行くので、それに乗り小松基地まで行き、そこで空軍機に乗り換えて、南九州の宇宙戦闘機発射基地に向かうよう指示がだされた。

彼は以前、直がエウロパ・ステーションを脱出する時のクルーの一員であり、脱出用の宇宙船の操縦桿を握っていたパイロットであった。

エウロパ・ステーションから脱出しようとした時には、操縦席に着き、脱出準備をしていると、エウロパ・ステーションに向かって、交代要員が乗った調査船が、無機物生命体の攻撃により、コントロール機能を失って、脱出用宇宙船に突入しようとしていた。

脱出用宇宙船はエウロパ・ステーションもろとも、突入してくる調査船により破壊される危機に直面していたが、宇宙船の誰もが脱出作業に夢中で調査船が衝突してくるのに気がつかなかった。

もはや脱出用宇宙船は調査船と衝突して宇宙の藻屑と消えてしまうのかと思われたのであるが、その時、操縦席の遥か向こうから猛スピードで突っ込んでくる調査船を発見し、彼の咄嗟の機転で脱出用宇宙船を、すぐに発進させて、危機一髪、窮地を救ったのであった。

彼はパイロットとしての技量が優秀なのは勿論であるが、身体能力も高くて、判断も機敏であり、非常に能力の高いパイロットであり、彼が、ちょうど任務を終え、休暇中で日本に滞在していたのは幸いであった。

重保の緊急招集を完了すると、ただちに勇太への緊急招集を行なう為に連絡を開始する。
時間は午前六時になろうとしている。

セットしてあった目覚ましが鳴るのと、ほぼ同時に勇太の携帯電話が鳴り始めた。