「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

スティーブが科学者に説明したとおりの事柄を李に説明してゆく。

話を聞いている李の顔つきが変化してきて、険しくなってくる。

一通り説明を終えた登志則が

「今しがた消息を絶った日本の航空機は、無機物生命体の波動エネルギーを浴びた可能性が高いと考えられます」

と話すと、李は唖然とした表情で、言葉を失っている。

李は、信じられない・・・いや信じたくは無いが

「そうか・・・気がつかなかったな。地球の復興を優先するあまりに、おろそかになっていた部分があったのかも知れないな」
と沈痛な表情で呟いた。

ただ一旦は画像を送ってきていた航空機が、突然に消息を絶った点については釈然としなく

「しかし、最初に物体の上空から物体を確認した画像は送られてきているのに、なぜ、その時に落とされなかったのだろうか」
と問うと

「おそらくは、まだ成長段階でエネルギーが未だ充分ではなく、遠くには届かないか、弱いのではないかと考えられます。低空で進入して確認しようとして、航空機が物体に近づき過ぎた為に、波動エネルギーを浴びたのではないでしょうか」
と登志則は答えた。

確定した事実ではないが、今、李に説明したように考えると、これまでの状況の説明がつくのだと言う。