「見ると、お分かりになるでしょう。遭難した十四隻のうち、十隻が無機物生命体の落下した位置と重なるか、非常に近い位置となっており、何らかの因果関係が存在するのではないかと疑われます。日付をたどると、最初に遭難船が出たのが北海で、一昨年の十二月二日であります」
「その後、北大西洋、地中海、ニューヨーク沖、メキシコ湾、インド洋、南太平洋、北太平洋、東シナ海、そして今回海洋調査船が遭難した小笠原海域となっており、ただ一点だけ、北太平洋の遭難に続き距離的に近い小笠原海域ではなく、東シナ海での遭難が、なぜ先に起こったのかが分からないのですが、それ以外の遭難は距離的にも近い順番に並んでいます」
「最初の頃は遭難船の出現する間隔が二ヶ月から三ヶ月以上あるのに対して、後半は二ヶ月以内となっていて、特に北太平洋から東シナ海、そして小笠原海域と続く遭難は一ヶ月少々の間に立て続けに起こっております」
スティーブは地図上の位置を指で指し示しながら説明を続けていく。
「この事実からすると遭難現場間の距離の違いもありますが、後になるほど遭難する船の間隔が短くなっているようです。漠然とはしておりますが、何らかの因子が働いている気がしないでしょうか。私は、最初に発生した北海の遭難に謎を解く鍵があると思うのですが、如何でしょうか」
前かがみになり、地図を目で追いながら、説明を聞いていた科学者が、フーと息を漏らしながら椅子にもたれて腕を組み、顔は、ややうつむきかげんにテーブルの上に置かれてある地図を見たまま、考え込んでいる。
しばらくして、科学者は
「北海の遭難といえば、大きな隕石が原因だったと思われているよなぁ」
と呟き
「隕石かぁ」・・・
と言いつつ天井を見上げた。
「その後、北大西洋、地中海、ニューヨーク沖、メキシコ湾、インド洋、南太平洋、北太平洋、東シナ海、そして今回海洋調査船が遭難した小笠原海域となっており、ただ一点だけ、北太平洋の遭難に続き距離的に近い小笠原海域ではなく、東シナ海での遭難が、なぜ先に起こったのかが分からないのですが、それ以外の遭難は距離的にも近い順番に並んでいます」
「最初の頃は遭難船の出現する間隔が二ヶ月から三ヶ月以上あるのに対して、後半は二ヶ月以内となっていて、特に北太平洋から東シナ海、そして小笠原海域と続く遭難は一ヶ月少々の間に立て続けに起こっております」
スティーブは地図上の位置を指で指し示しながら説明を続けていく。
「この事実からすると遭難現場間の距離の違いもありますが、後になるほど遭難する船の間隔が短くなっているようです。漠然とはしておりますが、何らかの因子が働いている気がしないでしょうか。私は、最初に発生した北海の遭難に謎を解く鍵があると思うのですが、如何でしょうか」
前かがみになり、地図を目で追いながら、説明を聞いていた科学者が、フーと息を漏らしながら椅子にもたれて腕を組み、顔は、ややうつむきかげんにテーブルの上に置かれてある地図を見たまま、考え込んでいる。
しばらくして、科学者は
「北海の遭難といえば、大きな隕石が原因だったと思われているよなぁ」
と呟き
「隕石かぁ」・・・
と言いつつ天井を見上げた。

