「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

「君は確か、先日、訪ねて来てくれた宇宙戦闘機のテスト飛行をしているパイロットですね。このような場所でどうかしたのですか」

と本来、仕事でもなければ居る筈の無いスティーブに向かって訊ねた。

スティーブは、科学者に伝えたい事柄があって、休息室で待つように言われ、待っていたのだが、科学者が、なかなか来てくれず、電話を掛けても忙しそうなので、直接、通信本部を訪ねてもよいものか思案していたのだと答えた。

李が、そんなに急いで伝えたい事柄なのかを問うと、スティーブは重大な知らせなので、どうしても早く伝えたいのだと言った。

李は、今から通信本部に入るから、科学者に伝えるので休息室で待つように言い、通信本部へ入っていった。

スティーブが休息室で五分ほど待っていると、科学者が入って来て、忙しいので手短に話をしてくれるように求めた。

スティーブはモニカから預かっていた資料を取り出して、説明を始めた。

預かっていた資料のうち、ここ数年間に、全国ニュースに取り上げられた大型船や特殊船の遭難場所と日付が書き込まれている大きな世界地図をテーブルの上に広げて、科学者に見せ

「ここに、ここ二年間の大型船や特殊船が遭難した位置と日付が、黒のインクで書き込まれています。この地図上に私が資料室で調べた無機物生命体との戦闘で無機物生命体が落下したと思われている地点を赤インクで書き込みました」

科学者の方向へ地図を回転させ、向け直して