「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

李は、突如として出現した島のような物体の解明作業に追われていて、新彗星の対処について、意見をどのようにまとめればよいのか、休会中に考えるつもりだったのに、全くできなかった。

休会前と討議の内容など全く同様の状況であるが、李は会議場の中で、どうしたものかと考えていたが、画像に捉えられた物体と物体上に遭難していた船の事も気に掛かり、頭の中が上手く整理できないでいる。

その時、原全権が休会中に考えついた意見を述べた。

「新彗星にミサイルを撃ち込むのが、時機の早いか遅いかは別にして討論の中心になっておりますが、無理に打ち込む必要は無いのではないでしょうか。とにかく無機物生命体か、どうかの不安が取り除かれればよいのであり、核ミサイルでは無く、三日後に打ち上げる予定のカメラ衛星を損傷覚悟で直接、新彗星を掠める位置に発射して、反応を見ては、どうでありましょうか」

「もしも無機物生命体であれば、電波を発しながら向かってくるカメラ衛星を敵と見なして攻撃してくるでありましょう。無論、一機のカメラ衛星は失われてしまう可能性が高くなりますが、破壊の危険がある核ミサイルを発射しなくて済みます。その場合も無機物生命体である可能性を考えて、攻撃準備だけは整えておく必要があろうかとは思いますが、如何なものでしょうか」

意見を聞いていたジョンデイリー全権が、多くの意見や考え方があろうが、とりあえずは、意見を幾つかに絞り込んでは、どうであろうかと提案があり、その作業に取り掛かった。

李が会議場に入って四十分ほどが経過したであろうか、連絡員が来て