「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

とりあえず、遭難した日本の海洋調査船の写真やデーターを取り寄せて、照合しなくては、はっきりとした事実はつかめない。

そこで日本政府に至急、写真やデーターを送ってくれるように要請すると同時に、こちらからもカメラ衛星の捉えた画像を送り、照合を依頼するように、すぐに作業に入った。

そこへ、先ほど、この島のような物体が、遭難船を捜索している航空機や船からも確認できているかの、問い合わせの返答が日本政府からあり、本日、飛び立った航空機は現在、遭難現場海域に向かっているところであり、物体が発見された付近の海域に到着するのは、約一時間後になるらしく、昨日までの捜索過程では、島のような物体は発見されていない。

もちろん海上から捜索中の船からの報告も無いとの情報である。

そこで発見された現場海域に航空機や艦船を派遣して、確認し調査したいので詳しい位置を伝えてくれるように要請があった。

李は、ただちに日本政府に正確な位置を伝えるように指示を出した。

補佐官は科学者から正確な位置を聞き取り、画像を添付して日本政府へ電送する。

その直後、科学者が眉間にしわを寄せて、物体の位置が書かれた書面を見ていたかと思うと

「おかしいですねぇ・・・最初に送られてきた画像から割り出された位置と、今しがた送られてきた画像から割り出された位置が微妙に、ずれています」
と言い、すぐに解析を始めた。

すると、やはり数十メートルであるが位置が違っている。

科学者が集まり、どうしてなのか検討を始めた時、時間は午後四時になっていて、安全保障会議が再開の時間になっているというのに、李は目の目の作業に没頭していて気がつかず、補佐官が時間に気づき、李に四時になっているのを伝えた。