「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

先ほどの画像よりも遥かに鮮明に捉えられており、表面の凹凸もよく分かる。

全体としては球形になっているのであるが、表面は少々凹凸が見える。

映像は、どんどんズームされてゆき、凹凸の細かな部分が映ると、見ていた全員が目を疑った。

「何だあれは・・・船じゃないのか・・・」
と呟きながら見ていた科学者が

「船だ。船だぞ。船が映っているぞ」
と大きな声を上げた。

そこには紛れも無く船の艦橋やマストが見え、船首から船尾までが、島の表面に半ば埋もれているように見えている。

確認できる船は、現場近くの海域で遭難した日本の海洋調査船に似ている感じである。
映像を見ていた李が、咄嗟に

「あそこに見えているのは、遭難した日本の海洋調査船じゃないのか。いったいどうしたというのだ・・・あの物体に乗り上げたのか・・・」
と言った。

海図にも載っていない島のような物体に、台風の大しけに遭遇して打ち上げられてしまったのだろうか。

可能性としては、否定できないが、しかし物体の存在自体が謎であり、島のような物体の成り立ちが不明である以上、簡単に、そのように判断してもよいのかどうかわからない。

それに数時間前には発見されていず、突然に現れてきたのだし、全くもって判断のしようがない。